Webアプリ開発を学んでいると、「MVCモデル」という言葉をよく目にすると思います。
Spring Boot や Flask の解説記事を読んでいても、Controller や Model が当たり前のように登場し、「結局それぞれ何をしているのかよく分からない…」と感じたことはないでしょうか。
MVCは、Webアプリケーションを開発するうえでほぼ必ず登場する重要な設計の考え方です。しかし、最初から完璧に理解しようとすると難しく感じてしまい、フレームワークの学習でつまずく原因にもなりがちです。
この記事では、MVCモデルの全体像と、それぞれの役割を初心者向けに噛み砕いて解説します。
難しい専門用語はできるだけ避け、実際の処理の流れをイメージしながら理解できるように説明していきます。
この記事を読み終える頃には、
「このクラスはModelだな」「ここはControllerの役割だな」
と、MVC構成のコードを落ち着いて読めるようになるはずです。
MVCモデルとは?(全体像と考え方)
MVCモデルとは、Webアプリケーションを開発する際に、処理の役割を
Model・View・Controller の3つに分けて考える設計パターンのことです。
MVCを日本語にすると「モデル・ビュー・コントローラー」となりますが、
名前だけを見ると少し難しそうに感じるかもしれません。
しかし考え方自体はとてもシンプルで、
「何をする処理なのか?」ごとに担当を分けるというだけの話です。
なぜMVCモデルが使われているのか
Webアプリケーションでは、次のような処理が必ず発生します。
- ユーザーが画面を操作する
- 入力された内容をもとに処理を行う
- 結果を画面に表示する
もしこれらすべての処理を1つのファイルやクラスにまとめてしまうと、
コードが長くなり、どこで何をしているのか分かりづらくなってしまいます。
そこで登場するのがMVCモデルです。
MVCでは、処理を役割ごとに分けることで、コードの見通しを良くし、管理しやすくすることを目的としています。
MVCモデルの処理の流れ(全体像)
MMVCモデルでは、Webアプリケーションの処理は次のような流れで進みます。
まずは細かい内容は気にせず、全体の流れだけを掴んでみてください。

上の図は、MVCモデルにおける処理の流れをシンプルに表したものです。
ユーザーの操作から画面表示までが、どのような順番で行われているのかを確認してみましょう。
- ユーザーが画面から操作を行う
- Controller がリクエストを受け取る
- Model がデータの処理を行う
- View が処理結果を画面に表示する
このように、
「受け取る(Controller)→ 処理する(Model)→ 表示する(View)」
という役割分担が、MVCモデルの基本的な考え方です。
この時点では、
「Controller は入口」「Model は処理担当」「View は画面担当」
というイメージを持てていれば問題ありません。
それぞれの役割については、次の章で詳しく解説していきます。
MVCモデルの各役割について
MVCモデルでは、アプリケーションの処理を
Model・View・Controller の3つの役割に分けて考えます。
ここからは、それぞれが具体的に何を担当しているのかを順番に見ていきましょう。
Model(モデル)の役割
Modelは、アプリケーションの中でデータや処理を担当する部分です。
MVCモデルの中では、いわば「頭脳」にあたる存在です。
主に次のような役割を持ちます。
- データの管理
- ビジネスロジックの実装
- データの加工や計算処理
例えば、次のような処理はModelの担当になります。
- データベースからデータを取得する
- データを保存・更新・削除する
- 入力された値をもとに計算を行う
ポイントとして、
Modelは画面表示やリクエストの受付は行いません。
あくまで「データをどう扱うか」に専念するのがModelの役割です。
View(ビュー)の役割
Viewは、ユーザーに見える画面を担当する部分です。
MVCモデルの中では「見た目」を受け持ちます。
主な役割は次のとおりです。
- 画面の表示
- Modelから渡されたデータを表示する
具体的には、以下のようなものがViewに該当します。
- HTMLファイル
- テンプレートファイル(Thymeleaf、Jinja2 など)
Viewの重要なポイントは、
複雑な処理を書かないことです。
Viewはあくまで表示担当なので、
「計算処理」や「データベース操作」などは行わず、
受け取ったデータを画面に表示することに集中します。
Controller(コントローラー)の役割
Controllerは、ModelとViewをつなぐ役割を持つ部分です。
MVCモデルの中では「司令塔」や「交通整理役」として考えると分かりやすいです。
主な役割は次のとおりです。
- ユーザーからのリクエストを受け取る
- 必要に応じてModelを呼び出す
- 処理結果をViewに渡す
Controller自身は、
データの中身を詳しく扱ったり、画面を直接描画したりしません。
「どの処理を呼び出すか」
「どの画面を表示するか」
を判断するのがControllerの役割です。
MVCの役割分担をシンプルにまとめると
ここまでの内容を一言でまとめると、次のようになります。
- Model:データと処理を担当
- View:画面表示を担当
- Controller:処理の流れを制御
この役割分担を意識するだけで、
MVC構成のコードが一気に読みやすくなります。
また、MVCを採用しているフレームワークでは、
フォルダ名やパッケージ名にも、この役割分担がそのまま反映されていることが多いです。
そのため、
「このフォルダはModel関連の処理だな」
「ここはControllerの役割を持つクラスが置かれているな」
と、フォルダ構成を見るだけで役割が判断できるようになります。
MVCモデルを使うメリット
MVCモデルを使う最大のメリットは、
アプリケーションの構造が分かりやすくなることです。
処理を Model・View・Controller に分けることで、
「どこに何が書いてあるのか」が明確になります。
主なメリットは次のとおりです。
役割分担が明確になる
MVCでは、それぞれの役割がはっきり分かれています。
- Model:データや処理を担当
- View:画面表示を担当
- Controller:処理の流れを制御
このように役割が決まっているため、
**「この処理はどこに書くべきか?」**で迷いにくくなります。
コードの見通しが良くなる
処理が整理されていると、
コードを読んだときに全体像を把握しやすくなります。
- Controllerを見れば処理の流れが分かる
- Modelを見ればデータ処理の内容が分かる
- Viewを見れば画面構成が分かる
この状態を作れるのが、MVCモデルの強みです。
修正・機能追加がしやすい
MVCモデルでは、
影響範囲を限定して修正できるというメリットもあります。
例えば、
- 表示だけ変えたい → Viewを修正
- 処理内容を変えたい → Modelを修正
というように、
変更したい内容に応じて、触る場所を最小限に抑えられます。
チーム開発と相性が良い
MVCモデルは、チーム開発とも相性が良い設計です。
- 画面担当
- 処理担当
- 制御担当
と役割を分担しやすく、
複数人で同時に開発しても衝突が起きにくくなります。
MVCを使わない場合の問題点
では逆に、MVCモデルを使わずに開発するとどうなるのでしょうか。
よくあるのが、
すべての処理を1つのファイルやクラスに詰め込んでしまうケースです。
コードが読みづらくなる
画面表示、データ処理、制御処理が混ざると、
コードの量が増え、全体像が見えにくくなります。
結果として、
- どこで何をしているのか分からない
- 初めて見る人が理解できない
といった状態になりがちです。
修正が怖くなる
処理が密集していると、
1か所の修正が別の処理に影響してしまうことがあります。
その結果、
- 直したつもりが別の機能が壊れる
- 修正するのが怖くなる
という悪循環に陥りやすくなります。
規模が大きくなるほど破綻しやすい
小さなアプリであれば問題なく動いていても、
機能が増えるにつれてコードはどんどん複雑になります。
MVCを意識せずに作られたコードは、
規模が大きくなるほど管理が難しくなるという弱点があります。
まとめ
本記事では、MVCモデルの考え方と、それぞれの役割について解説してきました。
MVCモデルは、
Model・View・Controller という3つの役割に処理を分けて考える設計パターンです。
- Model:データや処理を担当
- View:画面表示を担当
- Controller:処理の流れを制御
この役割分担を意識することで、
コードの見通しが良くなり、修正や機能追加もしやすくなります。
また、MVCモデルは特定の言語やフレームワーク専用の考え方ではありません。
Spring Boot や Flask、Ruby on Rails、Laravel など、
多くのWebフレームワークで共通して採用されている考え方です。
そのため、一度MVCモデルを理解してしまえば、
フレームワークが変わっても
「このクラスは何の役割なのか」
「このフォルダは何を担当しているのか」
を判断しやすくなります。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、
MVCはWebアプリ開発の土台となる非常に重要な考え方です。
MVCモデルを意識しながらコードを読むことで、
これまで分かりづらかったフレームワークの構造も、
少しずつ「意味のある形」として見えてくるはずです。

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